そこには、俺の目を疑うような光景が存在していた──。

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「・・・桜の花びら。」
俺の布団の上には、大量の桜の花びらが散っていた。

「私が起きたときにはもう・・・」
ことりが青ざめた様子でいう。

「・・・なんだよ、どうやって入ってきたかしらないけど、ただの桜の花びらじゃないか。」
俺はことりに心配をかけないよう、きわめて平然と言った。
・・・つもりだ。

「そうだけど・・・普通じゃないよ・・これ・・。」
「まあ、誰かが悪戯でやったんだろ、気にする事ないって。」

俺は立ち上がると、背伸びをした
「ん〜〜よくねた〜」
なんて、ちょっと大げさに言ってみる。

俺の布団の上には謎の桜の花びら。
それは確かに不思議で、信じられない光景ではあるけど。

今はそんな事どうでもいい。
ことりを、ことりを何とかしないとな。

だが、ことりの能力がどうなろうと俺達は変わらない。
ことりが能力なんてなくたって俺達は理解しあっているし、
能力があってもそれは変わらない

そう、俺達にとって、ホンの些細な事に過ぎないのだ。

「・・・でも、頭痛は困るよな」
そう、この能力の反動か、ことりは偏頭痛がするようになっているのだ。

「・・・まあ・・ね、でも私は大丈夫ですよ、こんな素敵な彼氏さんがいるんですから♪」
ことりが腕を組んでくる。


俺は手早く布団の上の桜の花びらをゴミ箱にすてると
ことりと一緒にリビングに降りた

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テレビを付ける。
朝はニュース番組ばかりで退屈なのだが
最近は俺もニュースを気にするようになった。

最近のニュース番組は季節の食べ物や
おすすめお出かけ(デート)スポットなども紹介してくれる

ことりと一緒ならどこにいっても楽しいのだが
やはり行くからには楽しめるようなところにいきたい
そう思い始めて、天気や治安事情、デートスポットなどの情報収集の為に
よくニュースをみるようになった。

「おまたせッス♪」
そんな事を考えているとことりがお盆に朝食をのせてやってきた

焼き魚に、味噌汁、ご飯、漬物
「・・うむ、日本人の心であるな。」

「まったく、どこのおじいさんですか」
俺が以前「朝はやっぱり米がくいたいよな、日本人なんだし」というと
それ以降比較的米ばっかりの朝食をことりが作ってくれるようになった

「それで、今日はどうするんですか?」
ことりが焼き魚の骨をとりながら言う

「そうだな〜・・・毎日毎日出かけるわけにもいかないしな」
そう、現実問題として、そう毎日毎日でかけてたんじゃ
俺の財布が悲鳴を上げてしまう・・・

「今日はことりと家でいちゃいちゃニャンヤンして過ごすか」
「・・ニャンニャンってなんですか、ニャンニャンって」
ことりがちょっと呆れたような顔でいう

「そりゃもう、あんなことや、こんなこと・・・」
するとことりの顔が紅く染まる。
分かりやすいなぁ、ことりは

「・・・純一くんのエッチ」
俺は緩んでしまってしょうがない頬に悩みながら朝食を終えた

そしてこの日、俺達はテレビをみたり、ゲームをしたり
家でだらだらと過ごした

そしてことりは今日からしばらくうちに泊まるらしい
あの暦先生を納得させたのはすごいなと関心してしまう。
ただ、『ことりに何かあったら・・・覚えておきなよ?』と
俺の携帯にわざわざ電話がかかってきた。

・・・・おそるべし。

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ジリリリリ・・
目覚ましの音が頭に重く響く・・・

カチッ
誰かが目覚ましを止める

「・・おはよッス♪」
・・・・ん。
「・・・おはよう・・こ・・」
「どうしたの?」
「いや、なんでもない、おはようことり。」

どうしたんだろう、なぜか一瞬、喉からでる言葉が詰まったような、そんな感じが。
最近疲れてるからそのせいかな・・・。

「今朝も、桜の花びらがいっぱいあった・・。私が、掃除しといたから」
まったく誰のいたづらだろうねとことりがペロっと舌をだす。

「じゃあ、先におりてるから着替えておりてきてね」
そういうとことりは鼻歌まじりに部屋をでていった。

・・・これは、悪戯なんかじゃない。
そう、本当は昨日から分かっていた事だ。
いや、ことりを心配させまいと気づかない振りをしていただけ・・。

これは、間違いなく・・桜の木の魔法。
それに今朝かんじたもやもや感。
これから一体、俺に何が起ころうとしているのだろうか・・。

そんな事を考えながら下へ降りると、味噌汁のいい臭いが漂ってきた
・・・今は、何も考えないでいよう・・。

ことりに読まれて、余計な心配かけてしまうしな・・。
そう決意すると、俺は深呼吸してドアノブをひねった。

テーブルに並べられている朝食。
正面で笑顔で迎えてくれることり。
何気ない朝の一コマ。

思わず頬がゆるむ。
毎日毎日、自分でも馬鹿かとおもうが、当たり前のようなことでも
幸せ気分でしょうがない

「お、今日は玉子焼きかうまそー」
今朝は玉子焼きと味噌汁、それにたくあんの漬物だった。

ことりの玉子焼きは、好きな料理TOP10にはいるぐらいで
(といっても、ことりが作るものならなんでも好きだけど)
その味はいうまでもなく。

「あ・・・・」
ことりの動きが止まる。
「どうした?」
「聞こえない、心の声がきこえなくなってる・・」
「え?」
ことりに、心の声がきこえなくなった?
「じゃ、じゃあためしに俺がなにか考えるから、それよんでみ?」
するとことりは黙ってうなずいた

俺はちょっと意地悪に
ことりってかわいいよなーと考える

「やっぱり、聞こえない」
「まじか・・・やったじゃん!」
そう、何故かはよくわからないが、ことりの心を読む魔法も、頭痛も完全になおったみたいだ

「・・・うふふ、これもきっと愛の力ですよね?」
なんて、ことりがうれしそうにいう。
「ああ、そうだな。本当によかったよ・・・」

本当によかった。
心からそうおもう。

ただ、この幸せが1歩ずつ、確実に崩壊していくことになるとも
このときの俺は知るよしもなかった・・・。

第6章へつづく