─ あいつなら、あいつなら何か知っているかもしれない。 そう確信した俺は静かに闇の中に意識を落としていった。 ------------------------------------------------------- ジリリリリリ・・・ 相変わらず必要以上に音の五月蝿い目覚まし時計で目が覚める。 時刻は午前7時。 夏休みなので学校に登校しなくてもいいはずの俺が早起きしたのには訳がある。 「─さくら・・」 そう、彼女─さくらなら今回の魔法の桜が再び咲いた件 ことりの人の心を読む能力が再びもどった件に関して何かしっているだろう。 が─。 「・・外国にいっちゃったんだよな・・。」 そう、さくらは今、初音島─いや、日本にいないのだ。 「・・・困った」 今、解決法を握っているのはさくらしかいないというのに・・。 暫く考えたあと、俺はさくら(ばあちゃん)の家にいくことにした。 ガタンガタン。 当然のごとく、扉には鍵がしまっていて開かない。 「・・・こういう時は大体・・・」 俺は裏手のほうに回り、不自然に飾ってある植木鉢をのけてみる。 「─ビンゴ」 そう、だいたい植木鉢の下に鍵がかくしてあると相場はきまっている。 ・・こんなことしといてなんだが さくら、遠くにいくんだったら鍵なんかこんなところに隠しておくなよ・・。 そして正面玄関の重い扉をあける。 ギギギギギ・・・ と重い音がしたあと、久々に正面からさくらの家が姿を現した。 ・・・といっても俺の部屋の窓から見えるから大した感動はないけどな 俺は、さきほど(不正に)入手した鍵で玄関の扉をあける。 中に入ると、独特な木の香りがした。 「・・さて、何か手がかりがあるといいんだが・・・」 俺はもしかしたら何か行き先の連絡先などが書いてあるものがあるかもしれないとおもい まずは、さくらの部屋にいってみることにした。 「・・相変わらず変わってないなぁ、ここは」 どこか懐かしさを覚えながらも俺は連絡先の手がかりを探す。 ・・がしかし、難しそうなどこの言葉でかかれているかも分からない本ばっかりで さくらの行き先の手がかりになりそうな物はまるでなかった。 ・・こりゃ、これ以上居ても無駄だな・・。 と、そのとき、およそこの部屋に似つかわしくない古びた日記帳を発見した。 「・・・これ、婆ちゃんの日記だ・・。」 俺は日記帳をひらくと、夢中で読み始めた 日記の内容は音夢や俺、さくらの事がほとんどだった。 中には俺でも忘れているような、恥ずかしい事や、うれしかった事まで記されていた。 そして、俺が音夢に首輪をプレゼントしたあの事も─。 「音夢・・」 そう、音夢は今、看護学校に通うため、初音島をでて寮生活をしている。 ずっと”妹”として接してきた俺。 そんな俺をずっと”兄”ではなく”1人の男”として想いをはせていた音夢。 俺がその想いをしって、ことりと付き合ってる事をはなすと音夢は涙をうかべながらも お似合いだよって言ってくれたっけ・・・。 ・・っと、いかんいかん。 俺はさらに日記を読み進めると最後のページにおよそ日記ではない不思議な事が書き込まれているのを 発見した。 『あの魔法の桜は 想いをかなえる魔法の桜。 人の”想い”こそが魔法なのだ』 ・・・これは、あの桜の木のことだろうか。 想いをかなえる魔法の桜か・・。 っと、今はそんな感傷に浸っている場合ではなかった。 一刻も早くことりを助けてあげたい。 そんな想いとは裏腹に結局手がかりらしい手がかりは掴めなかった。 ・・しょうがない、ことりの様子でも見に言ってみるか ----------------------------------------------------------------- ピンポーン ことりの家のインターフォンを押す。 「・・・はい」 「ことり?俺だけど・・・」 「あ・・・ちょっとまってね」 やはり辛いのか、ことりの声はどこか苦しげだった。 5分後─。 「ごめん、遅くなっちゃった」 といいながら出てきたことりはいかにも今からお出かけしますみたいな服装をしていた。 「・・えっと、ことり?」 「・・・恋人同士がデートするのは当たり前でしょう?」 と言いながらことりが腕を廻してきた ・・・デートって街へでると人がたくさんいるのにことりは大丈夫なのだろうか・・。 「大丈夫ですよ、こんな素敵な彼氏さんが私にはいるんですもの」 「・・あ、そうか。ごめん、俺の心の声もきこえるんだよな」 「うん、だから私の事は心配しないで、楽しくパーットやりましょうよ」 ・・・そうだ、俺はことりの恋人なのだ。 そんなことりがそうしたいっていうなら、今日は頭痛もわすれるぐらい楽しませてやろう 「・・期待してるっす♪」 ---------------------------------------------------------------------------------- こうして俺達はウィンドウショッピングにでかけたり、ゲームセンターにいったり 1日を楽しく過ごした。 「あ〜・・今日は楽しかった〜」 ことりがうれしそうに言う。 「でもことりってすごいな、DDR(ダンスダンスレボリューション)、すごかったよ。」 「・・そんな、普通ですよ、ふ・つ・う」 「・・・いや、本当に見惚れちゃってたよ、俺」 見惚れたというか、惚れ直したというか・・・。 「・・・もうっ、単純なんですから・・」 そうか、ことりには俺の心の声が聞こえるんだった・・。 うぅ・・恥ずかしい・・。 俺は顔が赤くなっていくが自分でも分かった。 「でも、純一君もかっこよかったっすよ、ガンシューティングゲーム。あの調子できっと私の事もまもってくれるんですよね?」 笑顔でことりがいう。 「・・・当たり前だ」 まあ、ことりを守るのは当たり前だが、そんな銃撃戦になるような事態は避けたいな・・。 と、そんな話をしながら帰宅している時、目の前に白いネコのようなものが現れた 「・・うたまる?」 「うたまるさん?」 俺とことりが声を合わせていう。 うたまるを追いかけるとその先には俺の探していた・・・ 「・・・さくら・・。」 「・・ただいま、お兄ちゃん♪」 さくらが立っていた。 第3章へ続く。