自分をごまかし続けてた。

”俺がなんとかする”なんてものは所詮俺が動き出すためのこじつけの理由。
俺が“してあげたい”んじゃなくてただ単にそれは俺が“したい”事。
それは──同時に今ある関係が崩れてしまうような、そんな不安にも刈られる。

だが──
俺には白河ことりという、世界で立った1人の彼女が必要なのだから──

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「純一君・・・」
私──白河ことりは不安を隠しきれない。

純一君は何か瞳に硬い決意をしていた。
それが私には分からなくて、分かってあげたくて──

今思えば私が純一君と呼ぶようになったのはいつからだっけ・・・。

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『朝倉君、ちわッス!』
とある日、私はいつものように中庭で朝倉君を待っていた。
『ことり、なんだか視線を感じるんだが、気のせいか?』
と朝倉君はちょっと困ったように言う。

『気のせいなんかじゃありませんよ、だって・・・ほら・・壇上で・・・』
2人の顔が熟れたリンゴのように真っ赤になる。

『ところでことり・・・その、俺達付き合い始めたことだしさ・・・』
朝倉君が頭をかきながら言いづらそうに唇を動かしてる
そんな朝倉君をみていると、なんだか私までドキドキしちゃってきた・・・。

『その・・・朝倉君っての、やめないか?俺達は恋人同士なわけなんだしさ・・・』
そんな事を、朝倉君は顔を真っ赤にしてやっとの思いで吐き出した。

『そうだねっ、純一君っ──』

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魔法は人を幸せにするもの。
私のお婆ちゃんがいつも口にしていた事。

色んな街を廻って、色んな人に幸せを分け与えて。
そんな御婆ちゃんは私の師でもあったし、大事な御婆ちゃんでもあった。

私には幼い頃に両親を亡くしてしまって、両親がいない。
ずっとずっと御婆ちゃんが私の母親代わりだった。

そんな御婆ちゃんは、ある日体調を崩してしまい、それから寝たきりだった。
何の病気だかは知らないけれど、体調は日に日に悪化。

そして御婆ちゃんが息を引き取った日の夜──
『アイシア、魔法は人を幸せにするもの。それを忘れちゃだめよ』
「魔法、おばあちゃんは魔法使いなんだからこんな病気ぐらい魔法で治せるでしょ!?」
私は、自分でも驚くほどの声で泣き叫んでいた。

『初音島の・・・吉乃さんを訪ねなさい、きっと貴方の道が開けるはずよ・・・』
そういうと御婆ちゃんは静かに息を引き取った。

『魔法、おばあちゃんは魔法使いなんだからこんな病気ぐらい魔法で治せるでしょ!?』

             のろい
自分の中でこだまするこの 言葉 。
それはまるで、今の私への自問自答だった。

御婆ちゃんは魔法で病気を治せなかったのではない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
自分と言う個人単位が魔法という幸せの中に含まれて居なかったのである。

じゃあ、私の幸せは?
人を幸せにしようとして咲かせた魔法の桜。
そんな桜で苦しんでいる人がいる今は・・・?

        アイシア
ねえ、教えて   私   。

             
             ・・・・・・・・・
             貴方は今幸せなの?

─────。

嗚呼。そうか。
私は、人が幸せな事を見るのが何よりの幸せだったのか。

決めた。
私は私の幸せを。
お婆ちゃんのしてきた事を──
                 しあわせ
桜の魔法なんかに頼らない、私の  生き方 を──。

なら、枯らせないと。
私はそう決心して──

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「まって。」
アイシアが立ち上がろうとするのを止める。
「・・・私、枯らせてきます。桜の気を。」

「それはダメだよ、アイシア」
「どうしてですか、元はといえばあの桜のせいでことりは・・・」
白河さんはとても真剣な表情で私達を見る。

「おにいちゃんは今──」
「戦ってるの。」
ボクの言葉を遮るように、ボクの言おうとしていたことを代弁するかのように
白河さんが言いはなった。

アイシアは目を丸くして驚いてる。
「純一君は戦ってるの、幸せの為に──」

「そういうこと、だから外野のボク達は黙って見てなきゃ。」
「逆転サヨナラホームランになるでしょうか?」
アイシアが訪ねる。

「きっと、必ず。」
白河さんがいう。
それはどこか、願いをかけた言霊のように──

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最終章へつづく。